二シャント・スーリア

タミル語の流音についての発音学的検査

2023年の冬学期、発音学のセミナー授業(LING 214 @ UCSC)、教授Grant McGuireの一緒にタミル語にある比較的珍しい発音、/ɻ/について研究を行いました。要は、二つの問題を調べるようにしました。

  • タミル語のネイティブは、どれほど区別して/ɻ/を発音するか。   /ɭ/に溶け込んでしまい、都市部の話者は、この発音は徐々に失われている傾向があるとされています。
  • 話者は、どういう音響的な特徴で/ɻ/を他の流音を区別できているか。   例えば、2つの流音のある英語で、第三フォルマント(F3)で/ɹ/は/l/から区別され、R系の音は、F3が低いです。5つの流音のあるタミル語で、どうですか。

パイロット実験を計画して、7人の参加者の音声データを収集しました。話者は、言葉のリストをもらい、自分を録音するように頼まれました。それから、Praatで分析しました。仕方などの詳細は、期末論文に説明されています。

UCSCの言語学部研究会(LURC)で私の結果を発表するよう招待されました。そのため、分析を改善したりして、相関を確認するためにR言語でスクリプトを書いてk-means分析を行いました。ポスターを作って、結果を紹介しました。

結果は、以下です。

  • R音と低いF3間には弱い相関が見られました。   k-means分析によると、相関は有意義ですが、英語よりかなり弱いです。
  • F1、F2の分析も行ったが相関がないようです。   /ɻ/と/ɭ/の発音のF1、F2だけでは、区別できませんでした。
  • /ɻ/と/ɭ/の区別は、一部の話者にのみ顕著でした。   7人の参加者のなかは、3人だけ/ɻ/を/ɭ/から区別しました。(残り4人のデータは、使えなかったのです)
  • 会話的タミル語では、どの話者も一貫して/ɻ/を/ɭ/から区別しました。   録音した後の研究者との会話の途中、録音で区別した人も、/ɻ/の代わりにほとんど/ɭ/を発音した。